【完】“微熱”−ひと夏限定のセイシュン−
夜道を歩くと、生暖かい風が熱帯夜を痛感させる。
私の酔いは、歩いているうちに少し醒めて、歩く足どりはもうシラフの時と変わらない。
「ねえ冬花、今からさ、花火しない?」
ナツは突然そう提案してきたかと思うと、暗くても分かるくらいキラキラと瞳を輝かせた。
「ナツって案外子供だね。もう三十路手前なのに」
「そうだよ、子供よー。俺、大人になりきれてないの。多分、これからもね」
ナツはくにゃっと垂れ目を歪ませて笑うと、花火とろうそくを買うために近くのコンビニに入った。
それはきっと、ホントに大人になりきれてなかったら、言えることじゃないと思う。
子供はいつだって大人ぶる、そんな生き物でしょう?
私の酔いは、歩いているうちに少し醒めて、歩く足どりはもうシラフの時と変わらない。
「ねえ冬花、今からさ、花火しない?」
ナツは突然そう提案してきたかと思うと、暗くても分かるくらいキラキラと瞳を輝かせた。
「ナツって案外子供だね。もう三十路手前なのに」
「そうだよ、子供よー。俺、大人になりきれてないの。多分、これからもね」
ナツはくにゃっと垂れ目を歪ませて笑うと、花火とろうそくを買うために近くのコンビニに入った。
それはきっと、ホントに大人になりきれてなかったら、言えることじゃないと思う。
子供はいつだって大人ぶる、そんな生き物でしょう?