想い、果てるまで
「どっから回る?」
紫波が前を向いたまま私に問いかけてきた。
空は既に明かりを失い、露店の灯りが通路を照らす。
人も大分多くなってきた。
今更なんだが、私服の紫波はなんかちょっと大人っぽく見える。
かっこいい。うん。
これならちゃんと男の子に見える。
………周りからは、私達の事どう見えてんのかな……。
やっぱりカップル?それとも友達?
兄弟………は流石に無いよね。
「んー…射的とか?」
「分かった」
ぶっちゃけ2人で回れるんなら何処でもいい。
むしろエスコートしてもらえる方が嬉しい。