想い、果てるまで
「---いや~こんなに買って貰って悪いね~」
紫波は両手に二本ずつ綿飴を持っていて、満面の笑みを浮かべている。
「いいえー、熊五郎に比べれば安いもんですよ」
見事に一発で手に入れたところが、流石としか言い様がない。
というより、綿飴は若干の嫌がらせのつもりだったんだが……。
「……………子供だなぁ」
「え?何か言った?」
「べっつにー」
あと、もう一つ悔しい事があるんだが、
それは、紫波の両手が綿飴によって塞がれていて、手がつなげないということ。