想い、果てるまで
………
「……それは、知ってるわ」
そんなの、とうの昔に分かり切っている。
だから私は君に惹かれたんだから。
「初めて自分と同じ様な奴に会った」
「残念ながら、私もよ」
「だから、最初はムカついた。まるで自分を見ているようで、自分の人としての不完全さを見ているようで」
「あら、言うじゃない。でも事実だから見逃してあげるわ」
私の一定のトーンの言葉に、紫波は小さく微笑み返してくれた。
「でも、全身鏡って訳じゃなく、やっぱり俺は俺でお前はお前な訳で」
「………」
「………だから、多分俺にとってお前は兄弟みたいなもの……だと思う。俺、兄弟いないから、もしいたらこんな感じなのかなって」
………