想い、果てるまで
「壽吏も協力してくれるって言ってたし、翼もいてくれるし……「お前さ、」
中条は、ようやくそこで目線を紫波の方へと移す。
その目は深く冷え切っていて、紫波は瞬時にその空気を感じ取る。
「………お前さ、ちょっと周りを見なさすぎ」
静まり返る教室。
運動場から聞こえてくる部活に励む生徒の声と、廊下に響き渡る誰かの足音だけが自分たちの鼓膜に響く。
「………何を」
「今のお前は人間のカス。お前で言う人以下」
中条の一言一言が、紫波の心をえぐりつぶす。