想い、果てるまで
「はい壽吏、壽吏もこれかぶって」
「え!?私も!?」
私は真那加から手渡されたウィッグを渋々装着する。
「はい、真那加。鏡貸し……って何やってるの?」
髪を整えるため鏡を借りようと真那加の方を向いたら、真那加は口を両手で抑えて顔を真っ赤にしていた。
「………何?どこかおかしい?」
私がそう聞いてみても、真那加は顔を左右にぶんぶん振るだけだ。
「えー…一体何?」
どこかおかしな所があるのかと思い、私はクラスのみんなの方を振り返った。