想い、果てるまで


紫波はその男の財布を、会計係の女子に投げ渡した。



そして、男の手を掴んでいる手を離す。



男はというと、
「……クソッ!!覚えてろよこの糞メイド!!」
と叫んでクラスから出て行ってしまった。





一斉に静まりかえる室内。


教室のど真ん中にいる紫波だけが、無表情で耳を掻いている。





………これは流石にまずいんじゃ……。



何とか弁解しなくては!!








「--あの!お客さ……」
「「「あっははははははは!!!!!」」」





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