想い、果てるまで
「………ごめん何でもない」
私、もう心のどこかで諦めてたんだね。
だから、せめて君だけは……
と、そこで私は紫波の異変に続く。
瞬きもせずに、ずっと窓の外を凝視している。
「………どうしたの紫波?」
「………で」
「………?」
紫波の唇は、微かに震えている。
「………なんで……」
なかなか言い出さないので、私は紫波の視線の先を手繰ってみた。
そして、その異変の訳にすぐに気付くことになる。
「………なんで、斉藤さんが
……知らない男と一緒に居るの?」