想い、果てるまで



前方には、既に紫波の姿はない。


あいつの脚力に追い付ける筈がない。





--どうして、このタイミングで……





私は奥歯をかみしめ、誰もいない廊下を必死に駆け抜ける。





今、あいつはどんな気持ちで……





あの時の、私と同じ様な…





「……お願い…見つけないで…真那加を見つけないで!!」





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