想い、果てるまで
気持ちが沈む中教室に入ろうとしたら、丁度中から出てきた壽吏と出くわした。
「---ッ!!壽吏!!」
俺は反射的にその名前を呼んでいた。
だけど、彼女は反応どころか、目も合わせようとしない。
そしてそのまま俺の隣を通り過ぎていく。
……もう、前のようには戻れないのかな…。
昔みたいに、競い合って、馬鹿し合って、なんだかんだ言って支えてくれて、
もう、叶わないことなんだろうな。
「……--明君」