想い、果てるまで
「…――おお!これがプリクラか!」
紫波は半分に分けたプリクラを両手で掲げ、爛々としている。
「そんなにうれしいの?」
「まあな!」
…もしかしてこいつナルシストか?
まぁ私が言えたことじゃないけど。
「へー可愛く映ってんじゃん」
「でしょうね。私とは比べ物にならない位に」
ちょっとムッとしてそう言い返すと、「紫波は何が?」という表情を浮かべた。
「いや?お前の事だぞ?」
………は?
「な、何言って…」
「うん。これはかわいいな」
いきなり何言いだすかと思えば!
この子ちょっと頭おかしいんじゃないの!?
顔が火照ってきた。
……なんて言い返せばいいんだ!?
言われ慣れてないから…。
ここは素直に「ありがとう」?
無理!絶対言えない!
でもお礼ぐらいはしないと、……褒めてくれたんだし。
「…っあ!ありが…」
「これはプリクラの機械に感謝すべきだな!!」
はい?
今極上のスマイルでこの人なんて言いました?
え、何?ここは聞き返すべきなの?
あぁ、素で言ってるところがさらにむかつく。
「いや~これは記念に………ぐほぉっ!!」
腹部に右ストレートを叩きこんでやった。
「ってえな!何すんじゃい!?」
「うっさいボケ!自分で考えろ!」
私のさっきのときめきを返せ!