想い、果てるまで



「俺は騙せないよ?」


「……っ!!」



何なの?今日の紫波。

なんか、いつもの馬鹿っぽい雰囲気じゃなくて、なんか、その、エロス。


……って私も何考えてんのよ!




「だー!!もう!!いいから離れて!近い!暑苦しい!」


「やー」


「駄々こねるな!!離れろ!!」



私は片方の空いている手で紫波を押し返すが、彼の体はビクともしない。


むしろその手まで捕らえられた。





「……ねぇ壽吏…。早く答えてよ。お前は今でも俺が好きなんだろ?」



--しつこい!!




「だーかーらー!!もう好きじゃ---」





---え?





いきなり、自分の唇に柔らかい感触伝わる。




まるで私が最後まで言い終えるのを防ぐように、私の口を紫波の唇が押さえ込んでいた。



同時に、つけっぱなしのテレビから年が明けたことを知らせる鐘の音が響く。





「---……」





そして、紫波がゆっくりと自分のそれを離した。





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