想い、果てるまで





私のボタンを押している手を、紫波の手が包み込んだ。



顔の横から、甘い香水の匂いが漂ってくる。



「今!」


「え!?うん!」



そう耳元で囁かれて、咄嗟に手を放す。



--ちょ、息が…耳に……





「あ……」




アームが綺麗に熊五郎をすくい上げている。



そしてそのまま落下口へと運び、アームを放し、がこっという音が聞こえた。





--取れた………





「やったな!!」



「--うん!」




私は嬉しすぎて、勢いよく紫波の方を振り返った。





--っ!!





顔が…




近……





鼻と鼻がつきそうな距離で、目がバッチリ合う。





あ……また……





心臓がバクバク言う。





呼吸が苦しい。





紫波の甘い匂いで、頭がおかしくなりそうだ。





触れられていた手が熱い。





この感覚はなんなんだろう……





私、どうなっちゃうんだろう………










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