想い、果てるまで










「………どうした?取れたぞ?」





紫波の言葉で、私はハッと戻ってきた。


紫波の方を見ると、相変わらずの笑顔でこちらを見ている。




あれ?今の何だったんだろう…。



一瞬意識が飛んだような‥…。



「あ!ありがと!」


「今のは自分の力で取ったうちに入るだろ?」





………いや、それどころじゃ無かったような‥…。





でもまあ実際楽な感じだし、本当に感謝だ。





「本当に、えと、………有り難う」




………何故照れる私!




「…え、いきなり何?気持ち悪い」





すみませんでしたね!!





……でも今日は熊五郎手に入れられたし、殴らないでおこう。





「じゃあ帰るか?」



「うん」







それから私達はゲーセンを後にし、途中まで一緒に帰った。





私は周りの目が気になったんだが、紫波はいつも通りに気さくに話しかけてくる。





最初はこんなに仲良くなるはずじゃなかったのに……。










………今なんて?










仲良し?



私が?こいつと?





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