想い、果てるまで
「皆を傷つけたくないならこそだよ。壽吏はどちみち選ばないといけないの」
真那加は一旦ゲームをしている手を止め、自分の顔を私の顔にぐいっと近付けてきた。
「私はね、壽吏。私は明君でも翼君でもなくて、壽吏だけが幸せになってくれたらいいの。」
「………でも、」
「他人に気を使うなってこと!みんなを踏み台にしてまで自分の幸せを掴みなさい!」
真那加が人差し指で私の額をぐんと押してきた。
「……犠牲にしてまでって事?」
「屍の上を越えていけって事。」
「---ぷ」
やっぱり真那加は凄い。
私の気持ちをこんなに晴れ晴れしくしてくれる。
そうだよね、くよくよ考えたって仕方ない。
その時の私の気持ち次第だよね。