想い、果てるまで
「壽吏ーーー!!また明日学校でなーーー」
それだけ言うと、紫波は再び前を向き去っていった。
なんなんだろう。
この気持ちは。
私はそっと自分の胸に手を当てる。
脈が速い。
今、名前を言われても嫌な気分にならなかった。
ライバルだから?
ほんとに?
なんか、この気持ちはくすぐったくて嫌だ。
どうやったらこの気持ちから解放される?
あいつに勝ったら?
それとも………
色々と考えている内に、自宅へと辿り着いていた。
もう考えんのやめよ……。
よく分からなかったけど、なんてなくそれ以上考えたらいけない気がしたんだ。
気付いたら、いけない気がしたんだ。