想い、果てるまで
「--…新井さんはさ、これからどうするの…?」
沈黙の中、先に口を開いたのは中条の方だった。
それも、私への問い掛けという形で。
「私は…」
それは自分への誓い。
もう逃げないと、どんな真実をも受け入れようという覚悟。
尚も進み続けようという、堅い意志。
「--私は、もう一度紫波に告白する」
どんな結末でさえ、私は受け入れる。
後悔だけはしたくないから…。
「そう…」
中条は私の返事を聞き、俯いた。
…かと思えば勢い良く顔を上げ、後ろにある机に腰掛けながら天井を見上げる。
「なんだよ~!くっそ-!また明に負けちゃったよ!俺どんだけ格好悪い!?」
笑いながら、無理矢理気丈に振る舞う中条。
彼を傷つける覚悟もしたはずだ。
だけど、彼が無理をすればするほど、私の心は罪悪感に苛まれる。
「…格好悪くなんかない…。
少なくとも、私の知ってる中では一番格好良い…」
私も笑う。
一番辛い彼が頑張って笑ってくれるのに、私が悲しみを顔に出してはいけない。
私の吐いた言葉を肯定も否定もせず、中条はずっと天井を見続けている。