想い、果てるまで
………-----……
「壽吏!!」
先程の爆音に続いて窓から現れたのは、生身の紫波だった。
一体何がどうなっているのか、混乱して状況を理解する事が出来ない。
とにかく何か言わなくてはと、必死に声を絞り出そうと試みる。
「--紫波?…ここ、三階なんですけど…」
「壽吏!!逃げるぞ!!」
「は?」
いきなりこちらへ向かって駆け出す紫波。
そしてそのまま私の手を取って、教室の入り口へと向かう。
…が、その時私のもう片方の手を中条が掴む。
「………ぉぃ、明……どういうことだよ……」
中条の顔は、今まで私に向けられていた優しい表情から一変して、燃えたぎるように冷え切っている。
要するに、キレている。
「そういう事。もう君はお役目ごめん。それなりに十分な活躍を見せてくれたよ。アンコールは無いからさっさと退場してくれない?」
…あの、喧嘩はしても良いですから、取り敢えず君達が握り締めている私の手を放していただきたい。