想い、果てるまで




「新井ーー!こっち手伝ってー!」


背後から自分を呼ぶクラスメイトの声が聞こえてくる。



ちょっと不安だけど、神様にでもお願いしとこうかな。


ってそんな柄じゃないか。





「はいはー…」




――――――…!?





……びっくりした。


ちょっとふらっときてしまった。



ここんとこずっと忙しかったから疲れたのかな。


最近ちょくちょく意識が飛ぶことがある。



まあどってことないんだが。


それより今は準備や練習の方が優先だ。


私は何に至っても常に頂点を目指すから、もちろん今回も優勝狙いだ。





と、そんな時、教室の入口から見慣れない人が現れた。



「もしもーし。新井さんいる?」


「あ、私ですけど」


「全校リレーの打ち合わせとかするから、ちょっと今いい?」


ああ。リレーに出場する先輩か。


「いいですよ。…じゃあ皆後は任せていい?」


皆の方を見ると、行って来いと手を挙げている。

私もよろしくと手を挙げた。





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