想い、果てるまで
しかし、そんな彼女には、彼氏がいないどころか、今まで付き合ったことすらない。
私も無いのだが、彼女にはちゃんと理由がある。
それは…
「ひゃっ!」
自分達の教室へと向かう途中、向かい側から先輩らしき大柄な男が歩いてきた。
その男はただ横を通っただけなのだが、真那加はその瞬間私の背中に隠れる。
そう、彼女は極度の人見知りである。
「ほんとに大丈夫かぁ?」
彼女が心を開いてるのは、生まれてこの方私1人だけだ。
「む、大丈夫!私、高校の目標、『彼氏を作る』を達成する為に頑張るから!」
ムキっとか細い腕の筋肉を見せる彼女の姿が余りにも愛おしくて、思わず頭を撫でてしまっていた。
「あ、でも、壽吏も同じ目標でしょ?」
「……いいえ、違うわ…」
そう、此処まで引っ張って来たけど、私の本当の目標、胸のドキドキの理由は、