想い、果てるまで




………え?





…よし!幻聴だな!

こんな可愛い子がそんな事言う訳な……
「だから邪魔だって。聞こえないんですかー?」



…いやいや、何言ってんのこの子?


予想外の言葉に、一旦思考がフリーズしてしまう。


「壽吏!そこ入り口だよ!みんな入れなくて困ってるよ!」

「え!?あ、嘘!すみません!」



皆の視線に気付き、すぐさまそこから仰け反る。



--恥ずかしい……



「………恥ず」

そう呟き、その美少年は教室の中へと入っていった。



な!

聞こえてるわよ!


いや、わざと聞こえるように言ってるのか!?



………


ってか同じクラスじゃん!?



「最悪……」



いやまて、ここで気を落とすな私!


入学式で見てろよ?


一高校生とは思えない素晴らしい挨拶をしてやるんだから!!





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