想い、果てるまで



沸き上がる歓声。



やっぱり、この速さは反則だ。



バトンを受け取った後、紫波は直ぐに前を走る選手を追い越し、今はほぼ独走状態だ。








私はというと、既に走り終えていて息も整ったにも関わらず、ただ呆然と立ち尽くしていた。





紫波の触っていた手が熱い。





鼓動が速い。





そんな笑顔を見せてほしくなかった。





まだ、このままでいたかった。





だって、もう気付いちゃったから。















紫波が、好き。










< 71 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop