想い、果てるまで










「……---お疲れ壽吏!」


「真那加!」



いきなり飛びついてきた真那加を、私はなんとか受け止める。





「………はっ!!壽吏汗臭い」


「私の努力の結晶よ。レアだから今のうちに沢山嗅いどきなさい」


「えーー…ばっちい……」



え、そんな真面目な顔して言わなくても……。


仮にもピチピチの女子高生なんだから。






「あれ?そういえば明君は?」


「えっ!?」



唐突にあいつの名前が出てきたから、少し戸惑ってしまった。



「も、もう帰ったんじゃ?」


声裏返っているぞ私。


真那加が何かを感じ取ったのか、私を凄い面もちで凝視してくる。



「……そっかあー、残念。折角今日格好よかったから褒めようと思ったのに……」



「へー。ふーん。そう」





………





「そういえば、道行く人々が『ねぇ、紫波君って可愛いよね!』とか、『あたし狙っちゃおうかな!』とか言ってた」


「へー。そう。へー」





………





「……あ!!明君!!」
「嘘!?嫌!!無理!!」











………あ。







やられた。





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