濡れた体温ごと奪って


私は制服姿のまま思い切ってインターホンを鳴らしてみた。


凄くドキドキする…。


…もし…変な人だったらどうしよう…?


危ない人で…目を付けられたりしたら…どうしよう…。


今更そんな事ばかりが頭を過ぎり、私の心拍数はどんどん増して行く…。








―――ガチャ―――




「なんだ?忘れもんか?」




玄関のドアが開くと共に、男の人独特の鼻にかかった様な低い声が私の耳に響いた。



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