濡れた体温ごと奪って
第九章 偽りの私に触れて
家に帰るとシャワーを浴びて、翔ちゃんの帰りを待つ。
好きな人に抱かれるのって…どんな気持ちなんだろう。
やっぱり幸せなのかな。
翔ちゃんの手が私の体に触れるって事だもんね。
嬉しいに決まってる。
例え一度限りの、ただの慰めだとしても…それでも幸せだと思えると思う。
でも…その前に…。
こんな…汚れた私の体に…触れてくれるかどうかも…わからないよね。
抱いてくれるって…決まったわけじゃないんだよね…。