濡れた体温ごと奪って
第十章 冷めゆく体温
自分の部屋へ帰って来た次の日の事だった…。
お母さんは例の彼氏からプロポーズをされたらしい…。
「紗耶…お母さんは…」
「彼氏と一緒になりたいんでしょ?わかってるよ…お母さん…」
「…彼はね……もう、あの時の彼じゃないから……だからね……紗耶にも認めて貰いたくて…」
お母さんは瞳に涙を溜めながら私の手を両手でぐっと握り必死に説得してる。
大丈夫だよ…お母さん。
私はもう…小さな子供じゃないんだから…。