濡れた体温ごと奪って
翔ちゃんはきっと…関係持ってた女の人の所へ行くんだ。
…さよならをしに。
翔ちゃんは行動派な人だから…きっと、別れに行くんだ。
「翔ちゃん…大丈夫?」
「お前が心配する事なんざねぇよ。まあ、一発や二発ぶたれるかもだけどな」
冗談っぽく笑いながら私の頭をポンポンと優しく叩く。
私は何て答えたらいいのかわからないまま、翔ちゃんは『行って来るな』と部屋を後にした。
…大丈夫かな。
翔ちゃん、何事もなく帰って来てね。