濡れた体温ごと奪って
「どうして翔矢があなたに執着するのか、わかったわ」
「……………」
「あなたが可哀相だからよ。あなたが醜いから。同情で傍にいてあげようと思ったのね」
女の人は大口を開き甲高い声で、私を嘲笑う。
私はただただ過去の事を思い出して…そして、翔ちゃんの顔が浮かんで…胸が締め付けられる。
「ねぇ、結構な事されたんじゃない?初めてがオヤジって、どんな気持ち?」
私を追い込む様にして、コツコツヒールの音を響かせながら囁く女の人。
いや…やめて…。