濡れた体温ごと奪って
翔ちゃん。
お母さんね、つい最近彼氏と別れたんだよ。
詳しい理由はまだ聞いてないけど…別れたって言ってた。
私の心はスッキリした筈なのに…でも…蟠りは取れない。
きっと翔ちゃんがいないから。
いつも見守ってくれて…私の事を心底愛してくれてる、翔ちゃんが居ないから…。
卒業式を終えて学校を出て家へと重い足取りで向かう。
家へ帰っても、翔ちゃんはいないんだもん…。
わかってるけど…凄く、寂しいんだ…。