濡れた体温ごと奪って
でも、どうして…?
まだ半年しか経ってないのに。
「紗耶。俺な、もう戻らなきゃいけねぇんだ…少ししか会えなくてごめんな…」
「ううん…翔ちゃん、私の為に…会いに来てくれたの…?」
「嫌。お前の為じゃない。俺がお前に会いたくて、我慢出来なくなったんだ」
「…翔ちゃん」
本当はわかってるよ。
私の為なんだよね。
私の為に、たった一回抱きしめる為に…何十時間もかけて…一時帰国してくれたんだよね。