濡れた体温ごと奪って
だって…まさかこんな…。
「お前は卒業したばかりで、やりたい事が沢山ある事は重々承知してる。だから、婚約はしてもお前の意思は尊重して行くつもりだ」
「…翔ちゃん」
「ただ、俺は…お前との未来が欲しい。お前を俺のものにしたい。紗耶以外考えられねぇんだ」
「…っ…翔ちゃっ……私で…いいの?こんな私でっ…いい、のっ…?」
「当たり前だ。この半年の間、どれだけ今日を待ち望んでた事か。やっと、想いを告げられた」
「…翔ちゃっ……はい…私でよければ…お願い…しまっ…すっ…」
翔ちゃんは満面の笑顔でもう一度私を抱きしめてから、左手薬指に婚約指輪を嵌めてくれた。