濡れた体温ごと奪って
「翔ちゃ…ありが…とうっ…」
「紗耶。愛してる」
翔ちゃんは私の顎に手を添えると、初めての口づけを交わした。
「私も、愛してる。帰国したら、沢山構ってね」
「当たり前だ」
半年前とは違い、今回は私も翔ちゃんと一緒に空港へと行き見送る事になった。
もう大丈夫。
あの時とは違って、今はもう寂しいなんて思ってない。
私は一人じゃないもん。
いつも翔ちゃんが傍に居てくれてるから。
薬指で光り輝いている婚約指輪にそっと触れた。
いつも一緒だよね。