濡れた体温ごと奪って
「家へ帰れるか?」
「うん。大丈夫」
「なんかあった時は、いつでも部屋に来ていいからな」
「ありがとう」
「おやすみ」
「おやすみ。翔ちゃん」
部屋の前に着くと、翔ちゃんも私も自分の部屋へと入った。
さっきまで部屋に入るのが凄く嫌だったのに…今はもう嫌じゃない。
翔ちゃんと話せたからかな。
部屋へ入るとお母さん一人でテレビを見ていて、彼氏の姿はなかった。
お母さんと他愛もない会話を少ししてから、その日は眠りについた。