濡れた体温ごと奪って


私の悲痛な願いは届かずに、少しして壁越しに隣りの部屋からまた聞こえて来た。


私が聞きたくて聞いてるわけじゃない、男女の営みの声が…。




『ねぇ…沢山してね…一ヶ月もお預けくらったんだから…』




女の人の微かに聞こえた言葉に私は首を傾げてしまった。


一ヶ月って…つい一昨日も同じ様な事してたんだけど…。


まさか…。


違う女の人って事…?



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