素直に優しく―360日の奇跡―



自動販売機から出てきたコーラをシンから渡され両手でそれをにぎりしめた。




「――…ありがと。」


「おー、どういたしまして。」


「メグには?」


「………ほら。」




ポイっとシンがメグに投げ渡したのはウーロン茶の缶。

奢らないって言いながらしっかり買ってあげてるシンは私なんかよりずっと大人だ。



握り締めた缶のプルタブを開けて缶に口をつける。

ベンチにシン、私、メグと並んで座りながら会話もなくジュースを飲んでいた。




「ヨリの家こっから近いの?」


「まぁ…歩いて三分。」


「近っ!じゃあいつでも会えるな。」


「だねー。メグ達ほとんどゲーセンにいるから!」




二人にとっては何気ないような言葉だったのかもしれない。

でも、私にとってはめちゃくちゃおっきな言葉だった。

コーラを飲みながら両脇にいる二人をチラチラ見ながら嬉しくてにやけてたんだ。




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