素直に優しく―360日の奇跡―





「ヨリって三年?」


「二年。」


「マジ?ぜってぇ同い年だと思ったのになー。」




メグに聞かれて答えたのに、それに一番反応したのはシンだった。

同い年だと思ったって事はシンは三年なのかな?なんて思いながらやっぱり言葉にするのは苦手だ。

聞きたいのをごまかすみたいにまたコーラを飲んで、コーラと一緒に言葉も飲み込んだ。




「メグと同い年だ。」


「ヨリが年上に見える。」


「うるさいなー、どうせチビですよーだ。」




笑うシンに膨れるメグ。

対照的な二人がなんでつるんでるのかが不思議だった。

大体友達って似た者同士が集まるのにこの二人は違う気がする。


足元に置いたままの上履きしか入ってないカバンをつま先で突きながらそう考えていた。




「そう言や…ヨリ結構身長あるよな。いくつ?」


「…165。」


「俺178。」


「別に聞いてないし。」




流れ作業のような会話でもシンもメグも嫌な顔なんてしなかった。

気を使う事なんてなく会話ができる気楽さにほんの少しずつだけど二人に気を許していた。




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