素直に優しく―360日の奇跡―
04話*親友
4月だったのが5月になり、5月だったのが6月になる。
メグとシンと出会ってから2ヶ月、あの日から変わらずに二人とは毎日会って遊んだ。
変わったのは知り合った人数とみんなが家に遊びにくるようになった事。
「ヨリー、腹減った。」
「何もないって。」
「あ、あれだ!ヨリ特製チャーハン。」
当たり前のように入り浸るのはメグとシンとメグの彼氏の隼人、それに新しく知り合った真央。
四人は学校に行かずにほとんど私の家で過ごす。
あれ以来、私も学校には行ってない。
あんなとこに行くよりメグ達といるほうが良い。
腹減った、とぐてっとソファーを陣取るシンにため息を吐いてめんどくさいながらにキッチンに立つ。
みんなが家に集まっても同じ事をして遊ぶとかはしない。
寝てる奴もいれば電話してる奴もいる。
テレビを見たり、勝手にお風呂に入ったり。
統率なんてあったもんじゃないけど、それがまた心地好かったりもする。
キッチンに立って葱を刻んで卵と一緒にフライパンにほうり込む。
「これ、入れたらうまそーじゃね?」
「いやいや、有り得ない。」
あの頃よりもずっと気持ちを素直に表す事ができるようになった私はいつのまにか冷蔵庫を覗くシンに苦笑い。