素直に優しく―360日の奇跡―




ガンッと派手な音を立てて教室の外に転がったごみ箱は可哀相にちょっと変形してる。

放課後の教室に残るクラスメートも一カ所に集まってチラチラと私を見ていた。




「あのさ、あんたら恥ずかしくない?あの人ら卒業したら手の平返して。

卒業するまで私にへばり付いてへこへこしてたくせに。」




顔を真っ赤にする目の前の奴を鼻で笑ってやる。

人間なんて所詮は猿と変わらない。
お山の大将にへこへこ付いて回っておこぼれ頂戴する。


そんなの私は真っ平ゴメンだ。




「タイマン張る勇気もないような奴が偉そうに言ってんじゃねーよ。」


「っ…ふざけんな!」




ますます顔を真っ赤にするセンパイは肩くらいまでしかない私の髪を力任せに引っ張って怒り散らしている。




「ふざけてんのあんただろ!こんなんで反撃したつもり?」


「うるさいうるさいうるさい!」


「タイマン張った事ないような奴がさ…私に喧嘩ふっかけんなよ。」




髪を力任せに引っ張っる右腕を左手で掴んでグッと捻ればわーわー泣きながら崩れるセンパイを見下したまま鼻で笑った。




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