素直に優しく―360日の奇跡―
08話*平穏な日
シンと付き合い始めて二週間。
シンは付き合い始めてから毎日私の家に入り浸ってる。
それは嫌じゃないし、むしろ嬉しかったりする。
「ヨリー、腹減った。」
「…チャーハン?」
付き合っても私とシンは全くと言うほど変わらない。
一つ、変わった事があるとすれば…
「ヨリー?」
「ん?………っちょっと…」
「いい加減慣れろって。」
シンが甘えん坊になった事。
暇さえあればくっついてくるし、気付けばいつもキスされる。
そんな関係の人間なんて今までいなかったから抱きしめられる事もキスされる事も慣れるなんてできない。
チャーハンの材料の葱を持ったままの私に笑って頭を撫でてくれるシンを睨みつけた私はたぶん顔が真っ赤だったと思う。
「かわいいなーヨリは。」
「可愛くないし!」
「かわいいかわいい。」
こうやってからかわれるのだってシン達に出会う前だったらキレてたと思う。
でもシン達に出会った事でそんな些細な事にイライラしない自分変われた。
それでもやっぱり恥ずかしいのだけはなくならないけど…。