素直に優しく―360日の奇跡―



玄関で靴を履きかえて上履きをカバンに乱暴に詰め込む。

これは二度と来るか、と言う私の決意でもある。


信用できる教師がいないならこんな学校に来る意味なんてない。




「……腹立つなー、もう…」




それでもちょっとだけ虚しいのはやっぱり期待しているからなのか…私にはわからなかった。



駐輪場に止めた自転車の鍵を外してゆっくりとペダルを漕ぐ。

自分の家には帰らない。

帰ったって家族はいない。



そのまま自転車に乗って自分の家から少し離れたとこにできたばかりのゲームセンターに向かう。

ただの暇潰し。

それだけのために向かう。




新しくできたゲームセンターは学生の恰好のたまり場にもなっていた。

指定ジャージを着た中学生やら制服を着た高校生。

UFOキャッチャーをやったり格ゲーをやったり…

ただでさえうるさいゲームセンターは学生の声でもっとうるさくなる。




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