素直に優しく―360日の奇跡―
02話*他校生
うるさいゲームセンターの中で一際うるさい場所のど真ん中で私はゲームをしているのをじっと見ていた。
画面に出る矢印を間違いなく軽快に踏んでいく姿はダンスをしているみたいで、見ていてスカッとする。
「名前なに?」
「……ヨリ。」
「ヨリか!じゃあヨリは今日からメグの友達だね。」
会って何分かしか経ってない相手を友達と言うメグに自分でもわかるくらいにしかめっつらをしていた。
メグは別に気にした様子もなくダンレボをやる男を見ている。
――…関わらない方がよかったのかもしれない。
そんな事思ったって今更遅いのに思わずにはいられなかった。
「ヨリって南中でしょ?」
「…まぁね。」
「良いよねー!ジャージ指定ないの南中だけじゃん?」
「別に…良くない。」
素っ気なく返しても気にしないで話し掛けてくるなんて今までになかった。
大体のクラスメートや周りの人間は素っ気なく返したらそれだけで話し掛けて来なくなる。
だから新鮮だった。