爽やか抹茶Ｄａｙｓ～若様のお茶はいかがですか？～

ギャラリーに繋がる階段の方から「間宮！」と呼ぶ声が聞こえた。片手にスポーツ飲料のペットボトルを持った本宮先輩が立ってる。先輩が呼んでるって事はそろそろ午後の部が始まるんだろう。

…嫌な昼休みだった。篠塚はいねぇし、代わりにコイツだし。

けど試合に行く前にこれだけは言わなきゃな…。じゃなきゃ腹の虫がおさまらねぇ。


「あんたが鬼で必死に自分のもの守るってんなら俺はいつか必ずそれを奪います。たしか桃太郎辺りなら出来たはずですよね？筋書は確かそんな感じだったし。」

ヤツの顔から一瞬笑顔が消えた。
でも「出来るなら構わないけれど、リンチと奇襲はやめてね。
ほら動物を餌で釣っていきなり乗り込んだだろ、彼。」と、今までの中で１番楽しそうなそれでいて嫌味な笑顔で、そう切り返してきた。

どこまでも嫌味ったらしいヤツだ。コイツを見て騒ぐ女子の気持ちが分からん。