爽やか抹茶Days~若様のお茶はいかがですか?~


えぇい!!…もう押してしまえ!と、そう思った瞬間でした。


「おはよう、あさかちゃん。そろそろインターホンは押せそう?」

ガラッと開いた引き戸式の玄関から出てきたのは八束先輩で、今日は見馴れたピシッとした制服姿ではなくて厚手のパーカーにジーンズといった、いつもよりはラフなお姿です。


「2階の窓からあさかちゃんの挙動不審な姿が見えたから、入りにくいのかなぁと思ってさ。ずっとインターホンに手を伸ばしたり引っ込めたりしてたし。
ところで今日は私服じゃなくて制服で来たんだ?」


挙動不審…。ショック…。
更には私が葛藤していた様子まで見られていただなんて…。
久々に心の木工ボンドを使った方が良いかも…。


内なる自分がボンドで修繕してる間に「本番は制服でお点前と聞いていたので…。」と言えば
なるほど真面目だなぁ。と妙に感心されながら「何のお構いも出来ませんが。」と中へ通されました。

さぁ気合い入れていきますよ。



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