爽やか抹茶Days~若様のお茶はいかがですか?~


恐らくあのまま柚木ちゃんを残留させてお茶を点てさせていたら、点てた内の幾つかはきっと味がしょっぱくなっていたでしょうね。それはさすがに避けたい事態です。

それに隣の茶室にはザッと見て大体20人前後のお客様がいらっしゃってる様に見えますが、これ位の人数なら茶道のキャリアを積み続けてきている先輩には余裕でしょうから色んな意味でこれが最善な策だったのかもしれません。


「あさかちゃん、そろそろ時間なんだけどいけるかな?」

後ろから不意に声をかけられ、振り向けば八束先輩が。たった今柚木ちゃんの見送りから戻って来たみたいです。


「準備は出来てますけれど、あの…柚木ちゃんの様子は?」

「うーん…双葉とタクシーまで運んだけど燃え尽きた様な感じだったね。まさか柚木ちゃんがあそこまで打たれ弱いとは…。
僕も伊月先生も大誤算だよ。」

眉間に手を当てながら着くため息は中々重いものの様です。



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