爽やか抹茶Days~若様のお茶はいかがですか?~
壁に掛かっている時計の針が5分前である事を知らせました。
「あさかちゃんは仮にミスをしても総崩れの心配はないと思ってるけど念の為伊月先生には休憩も兼ねて正客に入ってもらう事にしたよ。
代わりの半東は双葉だからそのつもりでいてね。」
次のお茶出しに備えて手首のストレッチをしつつ、私を安心させる為に教えてくれたのでしょうがこれは喜ばしい事なのでしょうか。
いえ双葉先輩の半東に問題があるわけではないんです。寧ろ安心出来ますから。
ただ伊月先生がお客様、しかも正客に入るって事は私が点てたお茶を飲むって事ですよね…?これが如何なものかと…。
実は私未だにお茶の味の調節が出来てないんです。
さっきも陰で点てる時があったのですが、私のお茶に当たったある人は「あれ?」という顔を、ある人は「苦い」と破顔させていまして…。
ほぼ同じ時間に点てたのに、こんなに違いが出るなんて…これで大丈夫なわけないですよね…。