爽やか抹茶Days~若様のお茶はいかがですか?~
「確かにお菓子美味しいよね。
僕は小さい頃お祖父さんの和菓子をちょろまかしたら、後で半殺しにされかかったよ。」
顔に似合わずそんな血生臭い思ひ出を持ち合わせていらっしゃるとは…。何たる修羅場ですか。
「篠塚さんはどうだった?
途中口を開けて見てたのが見えたんだけど。」
「…それは見えても見てないと言って下さい。というか胸の奥にしまって置いて欲しかったです。
それより、先輩みたいな綺麗なお点前って私でも出来ますか?」
目を丸くして扇子を弄ぶのを止めて私を見ている八束先輩。
まるで予想外の返答をされたって顔です。
「…僕のお点前が綺麗かどうかは判らないけど続けていれば出来るんじゃないかな?
僕は家が家だから、幼い頃からずっとやってて今に至る訳だから。」