爽やか抹茶Days~若様のお茶はいかがですか?~



「篠塚さん、隙アリ。」


パシンという軽い音と同時に足には何十倍もの衝撃が。

「~~~っ!先輩何するんですかっ?!!」

「何するんですかって足を突いたに決まってるじゃないか。」

持っていた扇子で扇ぎながらおっしゃるその顔は心なしか満足そうです…。


「痺れてる人見ると突きたくなるでしょ?それに足が痺れた人を前に何もしないなんて勿体ない。あ、沖田さんなら分かってくれそうな気がする。」

「分かります!和菓子以外にこれが目的でもあったので。」


諒ちゃん…そこで親指を立てないで下さい。
それに八束先輩もここは日本の美学「勿体ない」を引用する所ではないかと。


これはまずいですね…。

一年生はおろか二年生の先輩方ですら帰ってしまったようなこの感じ。
茶室には巷でいうSという生き物二人とそれに狙われた私。

これは完全なる密室犯罪というやつですか。
味方無しで無事帰れるのか…。またもや絶体絶命です。




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