ティーン・ザ・ロック
秘密基地
夕陽が目にしみる。
太陽の赤い光だけがあたしを見つめていた。
…疲れた。
泣く事にも、人間関係にも。
この場所から飛び降りてしまおうか とも思ったが、そんなにあたしは強くなかった。
死にたくは無い。でも、こんな世界から居なくなりたい。
誰もがあたしを必要としてくれる世界に行けたらいいのに。
アリスみたいに、どっかの穴にでも落ちたら、夢の世界に行けるのかな…。
そんな事を延々と考えていると、背中の向こうで錆ついたドアが開く音がした。
ゆっくりとそちらに頭を向ける。
そこに立っていたのは、やっぱり彼だった。
「……探した」
「………一人にしてって言ったのに」
「………」
最悪だ。
せっかく来てくれた杉澤君に、あたし、なんて事を…。
……でも、これで良かったのかもしれない。
彼もあたしの噂を聞いていた筈。彼もきっとあたしを『男好きの軽い女』だと思った事だろう。
だから、良いんだ。
優しくされて信用して、傷付いてしまう前に、こっちから突き放せば良いのだから。