ティーン・ザ・ロック
だけど
一人はやっぱり寂しいよ………。
どうにもならない感情。
あたしは一体何を求めているのだろう。
膝を抱えて蹲って。優しくして欲しくないのに構って欲しい。
矛盾も良い所だ。
「……鞄」
突然かけられた声に ピクリ と肩が跳ねる。
顔を上げて振り返ると、彼はまだそこに居た。
「……鞄、持って来た」
その手には、流行のキャラクターのぬいぐるみが付いたバッグが握られている。
確かにあたしの物だ。
「…ありがとう…」
「それと、あの人達には逢坂さんが『今度のリクリエーションの事で先生に捕まってるから、まだ帰れそうにない』って言っておいたから。……多分、メール来てると思う」
「え…」
バッグを受け取り、中に入れていたケータイを開くと、紅葉からメールが届いていた。
『まだかかりそうなんだって?
私達、用事が出来たから先に帰るけど…大丈夫だよね?』
文章だけに目を通し、返信はせずに画面を閉じた。