ティーン・ザ・ロック



玄関で対応する兄の、驚いた様な声を聞きながら


起きあがって、喉の渇きを潤しに台所へ立つ。



コップを手に取り、冷蔵庫からミネラルウォーターを取りだした時
廊下から、兄と聞き覚えのある声が聞こえて来た。


誰だろうと思いながら、手にした水を一気に飲み干す。


丁度コップを置いた時、リビングのドアが開いて、兄が姿を現した。



「葉瑠、叔父さん達が来てくれたぞ」


「叔父さん達が?」


電話したのは昨日の夜だったのに 決して近くない距離に住んでいる叔父さんがここに居るという事は、夜中の内に車で向かってくれたのだろう。


「やあ、葉瑠ちゃん。…元気だったかい?」


「葉瑠ちゃん…」


兄の後ろから顔を出した叔父さんと、その奥さん。


両親と同じくらい大好きな二人の顔を見れて、凄くホッとした。



「叔父さん…。…うん、元気」

「叔父さんも叔母さんも、俺たちだけじゃ大変だからって、駆けつけてくれたんだ。

…今日、親父たちに会いに行った後、暫く俺たちに付いててくれるって言ってくれたから…。


安心して甘えような」




「勿論だよ。どんなことだって支えになってあげたいんだ。

でも……。本当に、悔やまれる死…だな」


叔父さんはそう言うと、目頭を押さえて大きくため息を吐く。



父の兄である叔父さんは、あたしの父を誇りに思っていたのだ。


それがこんな形で消え失せてしまうなんて…。



きっと、一番深い悲しみに包まれている人だろう。



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